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光技術の可能性

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光のもつ特徴とその応用

光というと照明、太陽光発電、インターネットなどのことを連想されると思いますが、あらゆる分野で欠かせないものは光技術といっても過言ではありません。
ここでは光のもつ特徴、産業での応用、そしてそれを支える光・電子部品を紹介します。

光の特徴と、それに関わるメリットにはどのようなものがあるのでしょうか

光は見えない光は見えない

光は見えない

空気が見えないというのは常識的なことです。しかし、窓越しにゆれる木の葉や雲の流れなどを見ると、空気の存在を風として実感することができます。
光も同様に、身の回りを自由に飛び交う光を見ることはできません。

晴れた朝、窓越しに庭の植木を見ていると、鳥が飛んできました。庭にふりそそいでいた光は変わらないのになぜ鳥がみえたのでしょうか。
これは飛んできた鳥によって反射した光が窓を通して目に入ったため、鳥の形や色として認識できるようになったのです。実は庭の植木が見えるのも同じです。

このように身の回りを飛び交う光は見えませんが、光が物体とぶつかったときにふるまいが変わり、その光が目に入ることにより物体を認識することができるのです。

このふるまいには「吸収」「透過」「反射」「散乱」などがあります。さらに光のもつ色(波長)とぶつかる物体との組合せで独自のふるまいを見せるため、物体をより細やかに認識することができます。

つまり光を使うと、物体に触れずにその特徴や変化を詳しく検出することができ、電子技術と合わせてその分析や記録、そして情報の共有や伝達が可能となります。

光は速い光は速い

光は速い

1秒間に地球を7周半も回ることができると例えられるように、光は秒速約30万kmという超高速で進むことができます。
この性質を物の変化や動きを素早く検出する技術として使うことができます。また光を媒体とすると大量のデータを短時間で扱うことができるため、光通信や医療における画像診断など、さまざまな情報伝達の応用分野で活用されています。

光は優しく、たくましい

光は強弱、色、広がりなどにより、優しさやたくましさを表現することができます。これを利用しての照明装置や、ディスプレーモニターのように人間が解釈できる情報を伝達するための技術として活用されています。

また、光は太陽のエネルギーを電力に変換する媒体であるため、自然環境に優しい発電を行うことができます。

さらに、光を空間的そして時間的に一点に集中させ、エネルギー密度の高い光を作ることができます。この技術は高いエネルギーを必要とするレーザー加工装置などに利用されています。

光・電子技術は産業でどのように利用されているのでしょうか

物体の特性を検出する媒体として光を利用物体の特性を検出する媒体として光を利用

物体の特性を検出する媒体として光を利用

テレビカメラは、人間の目で見たものと同等のものを2次元光検出器で撮像し、その画像を記録、伝送することを可能にします。

また画像の加工や分析により必要な情報を抽出することができるので、画像診断、異物検査、品質管理、学術研究、セキュリティなど、さまざまな分野で応用されています。

物体に吸収される光や物体から放射する光のふるまいを、色をもとに分析(分光分析)することにより物体の成分を特定することができます。
化学分野では化合物の定量・定性、医療分野では血液分析などによる診断、農業分野においては糖度や熟度など、客観的な評価が要求される分野で利用されています。

光を物体にあて、光のもどり時間を計測することにより物体までの距離を測ることができます。この原理は自動運転、掃除ロボット、3次元計測技術などに応用されています。

情報伝達の媒体として光を利用情報伝達の媒体として光を利用

情報伝達の媒体として光を利用

デジタル情報を伝送する手段には電波や電線を使った方式がありますが、光の高速性を活かすとよりたくさんの情報を正確に伝送することができます。世界的なファイバーネットワークや光インターネットなどの通信分野、また近距離においてはリモコンなどの無線通信にも応用されています。

CD、DVD、ブルーレイなど、情報を保存する媒体にはデジタル信号が凸凹として刻まれています。これに小さく絞られたレーザー光をあてると、凸凹により反射する光のふるまいが変わり、デジタル信号として読み取ることができるのです。このように光を使うと大量のデータをコンパクトに蓄積し、持ち運ぶことができるのです。

光そのものを利用光そのものを利用

光そのものを利用

生活に必要不可欠な照明はもとより、生活を豊かに演出するために光は使われています。

光の色や二次元的なひろがりは、人に情報を伝達する手段として利用することができます。コンピュータと人間の橋渡しを行うディスプレーモニターや、情報を広く伝えるデジタル看板として応用されています。

レンズを使えば太陽光線を一点に集中でき、紙に穴をあけることができます。同様にレーザーの特質を生かしミクロン程度の小さなスポットに絞ることにより高いエネルギーが得られ、さらにそれを短時間に詰め込んだ光パルスも生成できます。
目的にあった強度とスポットサイズのレーザー光を選ぶことで、医療分野での手術や眼科治療、工業分野での金属の切断・溶接など、精度が要求される分野でレーザーが使われています。

紫外線は日焼けなど皮膚に与える影響が大きいことは知られていますが、生体以外の物質への影響も大きいため、広い用途で使われています。
紫外線は物に付着した細菌やウイルスの消毒に使われています。

また紫外線により硬化する物質があるので、紫外レーザーとあわせて光造形3Dプリンターに応用されています。そのほか瞬時に接着できるという利点から、製造過程や歯科治療での接着に応用されています。

X線・γ線・β線(電子線)も電磁波で、光の性質を有しています。これらは人体を透過しやすいので、医療での診断やがんの治療などに利用されています。

太陽光を利用太陽光を利用

太陽光を利用

太陽光のエネルギーを電気に変換することにより、商業用や家庭用発電に応用されています。また照明と太陽電池を組合せ街灯などにも応用されています。

太陽光から得られる熱や蓄えられた熱は、温室の栽培や省エネ住宅などに応用されています。

光技術は広範な産業分野で応用されています。

産業分野 製品群
くらし 娯楽 テレビ、スマホ、ゲーム、サービスロボットなど
セキュリティ・安心 監視カメラ、生体認証、火災検知器、殺菌など
通信 光インターネット、電話、リモコンなど
家電 トイレ、掃除ロボット、冷蔵庫、エアコンなど
くるま 照明 ヘッドライト、各種照明
安全・快適 自動運転、自動ワイパー、ダッシュボード、ドライブレコーダー、ヘッドアップモニター、路車間通信など
食品 農業・漁業 生育環境制御、品質検査(糖度・熟度・機能性成分、鮮度、旨味、タンパク質)など
加工・安全 ロボット、異物検査、滅菌など
健康・医療 学術研究 光学顕微鏡、テレビカメラ、化学分析器、遺伝子解析など
診断 内視鏡、顕微鏡、血液分析器、パルス酸素濃度計、血糖値測定、遺伝子解析、X線撮影、PET/CT/SPECT、OCT、眼底カメラ、バイタル計測、ウイルス検査、PCRなど
治療 医療用レーザーメス、レーザー療法、眼科、歯科など
健康促進 ウェアラブル計測機器など
ものづくり 製造 レーザー加工機器(切断、接合、溶接、肉盛り、研磨、表面改質、マーキングなど)
光造形3Dプリンター、ロボット(加工、組み立て、検査、ピッキング、搬送など)
品質管理 計測器、結晶性評価、残留応力測定、分析・解析(放射線・紫外線・赤外線・THz波)・画像機器、故障解析など
建築 CAD、3次元計測、測量など
環境・エネルギー 照明 白熱灯、ハロゲンランプ、蛍光灯、LED、明るさ制御
太陽光発電製品 大規模な太陽光発電設備、ソーラーパネルが組み込まれた庭園照明装置など
環境モニタ 菌、微生物測定・同定、ガス分析(FTIR)

産業分野

くらし

娯楽

テレビ、スマホ、ゲーム、サービスロボットなど

セキュリティ・安心

監視カメラ、生体認証、火災検知器、殺菌など

通信

光インターネット、電話、リモコンなど

家電

トイレ、掃除ロボット、冷蔵庫、エアコンなど

くるま

照明

ヘッドライト、各種照明

安全・快適

自動運転、自動ワイパー、ダッシュボード、ドライブレコーダー、ヘッドアップモニター、路車間通信など

食品

農業・漁業

生育環境制御、品質検査(糖度・熟度・機能性成分、鮮度、旨味、タンパク質)など

加工・安全

ロボット、異物検査、滅菌など

健康・医療

学術研究

光学顕微鏡、テレビカメラ、化学分析器、遺伝子解析など

診断

内視鏡、顕微鏡、血液分析器、パルス酸素濃度計、血糖値測定、遺伝子解析、X線撮影、PET/CT/SPECT、OCT、眼底カメラ、バイタル計測、ウイルス検査、PCRなど

治療

医療用レーザーメス、レーザー療法、眼科、歯科など

健康促進

ウェアラブル計測機器など

ものづくり

製造

レーザー加工機器(切断、接合、溶接、肉盛り、研磨、表面改質、マーキングなど)
光造形3Dプリンター、ロボット(加工、組み立て、検査、ピッキング、搬送など)

品質管理

計測器、結晶性評価、残留応力測定、分析・解析(放射線・紫外線・赤外線・THz波)・画像機器、故障解析など

建築

CAD、3次元計測、測量など

環境・エネルギー

照明

白熱灯、ハロゲンランプ、蛍光灯、LED、明るさ制御

太陽光発電製品

大規模な太陽光発電設備、ソーラーパネルが組み込まれた庭園照明装置など

環境モニタ

菌、微生物測定・同定、ガス分析(FTIR)

光・電子技術を製品の開発や製造に導入しようとすると、その基本となる部品にはどのようなものがあるのでしょうか

光をつくる光をつくる

光をつくる

自然界における光は宇宙から供給される太陽光、そして月や星から得られる光があります。またホタルやクラゲなどから発せられる生物からの光もあります。

これらを有効に利用する産業応用もありますが、光を応用にあわせて自由に制御するためには使いやすい光を電気から作りだす必要があります。

古くから使われていたものには白熱電球や放電管がありますが、現在ではLEDやレーザーが光源として主流となっています。
光源に対して要求される要素としては、形状(大きさや他の部品との接合性)、色(波長)、干渉性、強さ、安定性、耐久性などがあるため、膨大な種類の光源が存在します。

光を検出する光を検出する

光を検出する

光を使って物質の変化や画像などの情報を得ようとすると、光を検出して電気信号(電子)に変換する受光素子が必要となります。

フォトダイオード、CMOS、CCD、光電子増倍管などと言われる受光素子があり、目的に応じてその素子が1点のもの、1列に配列された1次元のもの、そして縦横に配列された2次元のものがあります。
さらに特性として受光素子の大きさ、色感度(波長)、応答速度、ノイズなどがあるため、多種の受光素子が存在します。

光を操る光を操る

光を操る

作った光を利用して、その光を検出して何らかの物体からの情報を得ようとすると、光を光源から物体へ、物体から受光素子へと導く必要があります。また光を絞ったり、特定の光を選択したりすることも必要になります。
これにはレンズ、プリズム、ミラー、フィルター、ファイバー、フォトニック結晶などの光学素子が使われます。

光部品のモジュール化

前述した光の要素となる3種類の部品は単独でも使うことができますが、より導入しやすいように部品を駆動する電子回路を付加したモジュールなどがあります。

また光源や検出器などを一体化し、ひとつの素子にまとめあげた複合素子などもあります。
さらに信号の授受をデジタルで行えるようにする電子回路や光学素子を含んで一体化したモジュールなどもあります。

フォトンバレーセンターはどのような支援をおこなっているのでしょうか

フォトンバレーセンターの支援フォトンバレーセンターの支援

フォトンバレーセンターの目的

静岡県には光技術、電子技術、そして情報技術などを有する研究機関や企業がたくさんあります。この地域に集積しているこれらの「知」を活用して、ものづくり、流通、農林水産業などあらゆる既存産業の高度化、生産性向上、横展開の推進を図るとともに、新規事業、新産業を育成してゆくことがフォトンバレーセンターの目的です。

具体的には、中小企業が抱えている技術的な課題解決や、人材育成のための支援策が用意されています。また中小企業の方の相談窓口として技術相談を受け付けています。技術的な相談に限らず、補助金、セミナー、販路などお気軽にお問い合わせください。

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産学官金連携による中小企業支援産学官金連携による中小企業支援

産学官金連携による中小企業支援

中小企業の方が新製品開発や既存製品の高度化を進めるにあたり、自社では解決できない課題にぶつかることがあります。その状況を打破すべく支援するのがA-SAP産学官金連携イノベーション推進事業です。

A-SAP(エーサップ)は通常の補助金事業とは異なります。ここでは大学などの研究者が主体となり、企業が抱く課題の解決に向けてプロジェクトを企業と一緒に実施し、企業はその成果を受け取ります。ここで活用されるのが地域に集積された光・電子技術です。

A-SAPで実施したプロジェクトを動画で紹介していますので、A-SAPプロジェクトのページをご参照ください。

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セミナー

光・電子技術の活用促進を目的とし、光技術の可能性やものづくりへの応用などに関するセミナーやビジネス要素を中心とした人材育成講座を実施しています。詳しくはセミナー・講座のページをご参照ください。

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