A-SAP

A-SAP - 光技術、電子技術を活用した産学官金連携イノベーション推進事業

成果事例

農業AIを用いたストレス栽培向け灌水制御の実現

Information

実施期間
2018年10月10日~2019年03月20日
プロジェクトリーダー
峰野 博史 教授(静岡大学 情報学部)
スカウト
鈴木 俊充(静岡大学)
ビジネス財務コーチ
石塚 昇平(浜松磐田信用金庫)
依頼内容
環境情報や草姿画像からAIを駆使して高精度に「しおれ具合」を予測する「しおれ検知ソフトセンサ」を用いた灌水制御によって、熟練農家でなくても高付加価値農作物を安定的に生産できるストレス栽培向け灌水制御を実現したい。それを実現するためにはAIやIoTの知見が必要であるが、申請企業はマーケット動向は把握できているがAIやIoTのノウハウは有していない事から支援が必要となっている。
成果概要
これまで研究開発してきた「しおれ検知ソフトセンサ」を用いて、比較的計測容易な非破壊データである環境データと草姿画像のみを入力することで、蒸散過多に基づく茎径変位量をソフトウェア的に出力し、灌水制御を実現するAI灌水制御システムの開発とハウスへの設置ならびに栽培実験での性能検証を世界に先駆けて実施した。数百株規模での栽培実証実験の結果、中玉トマト低段密植養液栽培(11~1月)にて、収穫期間における可販果率を低下させることなく、高糖度トマトを機械的に低負担で大量生産可能なことを確認した(2019年1月30日プレスリリース)。各種センサやカメラ等のハウス設置方法、システム全体構造や運用方法をまとめ、しおれ検知ソフトセンサを用いたストレス栽培向け灌水制御マニュアルのプロトタイプを開発した。
期待される効果
栽培の基本である『光合成』の促進について、植物の成長や発育状況に応じて太陽光を最大限に有効活用できるよう、灌水だけでなくCO2施用、飽差も上手に制御し、時に厳しくとも優しい対話に基づく柔軟な栽培のできる農業AIの実現を目指し、新規就農者や世代間をまたぐ農業の継承を支援していく。
製品化への取り組み
まずは極少培地を用いたトマトの低段密植栽培を対象に、季節性や栽培条件、品種の違い等を許容できるストレス栽培向けの適切な灌水制御を実現できるか実証実験を繰り返しながら事業化を目指す。
しおれ検知ソフトセンサの概要(JSTさきがけ)
しおれ検知ソフトセンサの概要(JSTさきがけ)
実証実験の様子@サンファーム中山(株)
実証実験の様子@サンファーム中山(株)
実証実験結果
実証実験結果

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