浜松オプトロニクスクラスター

オプトロニクス技術の高度化による安全・安心・快適で持続可能なイノベーション社会の構築
静岡県 浜松市
財団法人 浜松地域テクノポリス推進機構


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研究内容

◆高機能・高性能イメージングデバイス開発と知的情報処理

安全・安心・快適な社会を実現する支援技術として、特に交通、産業、医療用、情報分野で役立つことが期待される画像・計測・通信用デバイス開発とともにデバイスの応用開発を行います。


1-1 高機能・高性能CMOSイメージセンサの開発

川人祥二 教授●研究代表者
静岡大学電子工学研究所 川人祥二 教授
《URL》http://www.idl.rie.shizuoka.ac.jp/


CMOSイメージセンサに新しい素子構造と新規信号処理技術を適用し、イメージセンサの高機能・高性能化を図り、 [1] CMOSイメージセンサのノイズ低減技術による高感度化と広ダイナミックレンジ(広DR)化を同時に達成した冷却器不要の新型イメージセンサ、 [2] 交通信号機や自動車のテールランプのLED光に載せた光情報を、発信源を追跡しながら交信する新型イメージセンサ、 [3] センサの各画素に 到達する光の強さと時間差を同時に読み取る相関型イメージセンサ(時間相関型イメージセンサ)に大別される3種類のイメージセンサを開発します。

高機能CMOSイメージセンサ 感度・広DR・超低ノイズ・非冷却
CMOSイメージセンサ[1](左)と特殊な入出力特性(右)
光情報通信用画像センサ 新型イメージセンサ[2]による 次世代交通安全情報通信

これらのイメージセンサを用いることにより、極微弱な光をとらえるバイオイメージングや科学計測用カメラ、対向車のヘッドライトで逆光下にある歩行者を発見する車載用ナイトビジョンカメラ、夜間の低照度照明下での監視用セキュリティカメラ、信号機や自動車のテールランプLED光との情報通信による交通安全システム、従来の画像処理では実現困難であった各種物理量の実時間計測、形状測定や傷の検出等、新たな画像による計測・通信・可視化が可能となります。



1-2 時間相関型CMOSイメージセンサの応用

安藤繁 教授●研究代表者
東京大学大学院情報理工学系研究科 安藤 繁 教授
《URL》http://www.alab.t.u-tokyo.ac.jp/~ando/index-j.html


時間相関型CMOSイメージセンサは、安藤繁教授が基本原理 を考案した特殊なイメージセンサであり、そのセンサを高速動作対応とするために、上記のテーマ1−1[3]において、川人祥二教授考案の高速電荷転送技術を組み入れて開発している新しいイメージセンサです。

時間相関型カメラで撮影した1枚の
画像から速度ベクトルを表示
 

このイメージセンサを用いたカメラでは、撮影画像の各画素に 到達した光の時間変化を記録する能力があるため、普通のカメラとは異なる応用ができます。例えば、1枚の画像データから画像中の動いている部分の速度と方向(オプティカルフロー)を表示することができたり(写真上)、赤・青・緑などの回転する光源で物体表面を照射することにより、物体を作っている材質、凹凸の変化やキズなどが、異なった色で表示する(写真下)など、計測や検査用として実用化を目指した研究開発が進んでいます。


多色回転型LED光による材質検査例
多色回転型LED光による材質検査例

 この他、実時間3次元形状計測、シート面の屈折率・誘電率などの一括計測、電子部品の高速3次元形状検査など、産業的・科学的に役立つ多用途に向けた新しい計測・データ処理方法による測定器の開発を進めています。


1-3 強誘電体薄膜センサを用いたインテリジェントイメージセンシング

石田誠 教授●研究代表者
豊橋技術科学大学 電気・電子情報工学系 石田誠 教授
《URL》http://int.ee.tut.ac.jp/icg/wp/


シリコン基板上に酸化膜(エピタキシャルアルミナ膜)を挟んで結晶軸を揃えて強誘電体材料を成長させることにより、従来よりも高感度な赤外線や超音波の送受信が可能な、強誘電体薄膜センサとシリコン集積回路との一体型画像表示デバイスを開発します。

強誘電体薄膜センサを用いたインテリジェントイメージセンシング

このセンサは、赤外線または超音波を用いる防犯、医療、福祉、工業などの多分野での応用が可能で、安全・安心・快適・省エネ用途を実現するセンサです。超音波センサは、物体の奥行き形状(3次元)認識も可能になります。


1-4 フォトン感度を持つ単電子デバイスと単電子情報圧縮回路

猪川洋 教授●研究代表者
静岡大学電子工学研究所 猪川洋 教授
《URL》http://www.rie.shizuoka.ac.jp/~nanosys/


フォトン(光子)によって発生した電子1個1個を直接検出する新タイプのフォトン検出器(図)および単電子転送による超低消費電力な情報圧縮回路を含む新タイプのフォトン検出器をSOI( 絶縁膜上のシリコン)技術を用いて開発し、より高い感度、動作速度、常温動作を実現します。
フォトン感度を持つ単電子デバイスと単電子情報圧縮回路
 これらの検出器により、通信、医療分野、物理学、化学、生物学、宇宙観測等での測定限界を超えることができます。


1-5 広波長帯域超高速MOSLMの開発と光ITシステムへの応用

井上光輝 教授●研究代表者
豊橋技術科学大学 電気・電子情報工学系 井上光輝 教授
《URL》http://www.maglab.eee.tut.ac.jp/


可視光域で高速動作が可能な新しい空間光変調器(MOSLM)(写真上)を開発し、これとホログラムスクリーン技術とを組み合わせた高臨場感立体画像ディスプレイ(3Dディスプレイ)、類似画像検索ユニットを開発します。MOSLMは、ナノスケールピクセルでTFTによるスピン制御型の新規デバイスを開発し、下記の2つのシステムとの統合を目指します。
 3Dディスプレイは、様々な方向に対して、その見る位置に対応した画像を照射することで、特殊なメガネ等を用いず立体画像が見られることが特色です。動画映像に成功し、高画質化を開発中です。
 また、高速MOSLMを用いる小型の高速類似画像検索ユニットも開発しています。特許商標や顔認証、空港のセキュリティ検査システム、医療・医用など、広範な画像処理への応用が見込まれます。

広波長帯域超高速MOSLM

 


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